ぽん酒の話 その

日本酒はおいしいのに・・・
 日本酒は、よく「オヤジの酒」と言われます。昔からオヤジさんたちが好んで愛したお酒だからこのネーミングが付いたのだと思いますが、逆に考えると、若い人や女性の方には、人気がなかったということになります。このことは自分の独断と偏見の考えからいうと、「本当の日本酒」というものを知らなかったからだと思います。(自分もその一人でしたが・・・)

 日本酒は、世界的になったワインよりも製造過程が複雑で、専門的にいうと「並行複発酵」といわれ、世界最高の発酵技術が必要になります。それ故に日本酒作りには、杜氏という専門職が必要になります。多くの日本酒は、この杜氏の長年の経験と勘によって、成り立っていると言っても過言ではありません。そうやって作られた日本酒は本当においしいです。それでは、何故おいしいはずの日本酒が家庭で飲むと、「オヤジの酒」になってしまうのでしょうか?

 それは、やはり保存法の問題が一番だと思います。出来立ての日本酒は、それぞれの好みがあっても、それなりにおいしいものです。そのおいしいお酒が瓶に詰められて、蔵元のひんやりとした石蔵の中で出荷を待ちます。さてその後が問題で、蔵元から大手の酒販店問屋に運ばれるときは、野ざらしのトラックで倉庫に運ばれます。運が悪いと、倉庫に入りきらず炎天下の外に本当の野ざらし状態にされてしまうのです。そして、酒屋さんでは日の当たる棚にずらりと並べられてしまう。本当にかわいそうです。

 ワインは、湿度と温度管理がしっかりしたワインセラーなるものがあり、その管理にはしっかりとしたものがあります。日本酒は、湿度を気にすることはありませんが、温度や光に非常に敏感な飲物です。実はそれを知らない酒屋さんや問屋さんが多いのです。最近こそ日本酒に力を入れている問屋さんや酒屋さんでは、温度管理に気を使っていますが、一般の人が購入する酒屋さんでは、なかなかそうはいかないようです。今の時代だからこそ、管理がしっかりしているお店が増えてきていますが、昔はそういう酒屋さんは、皆無に等しかったと思います。

 本醸造酒は、ある程度環境に強い部分がありますが、吟醸酒・大吟醸酒はデリケートな日本酒なので、光や高温を嫌います。特に「生酒」は、絶対に冷蔵していないといけません。このことから考えると、良心的な酒屋さんはきちんと温度管理がなされているので、吟醸酒や生酒がきちんと冷蔵保管されている酒屋さんは、良心的なお店だと思います。良い酒屋さんを選ぶ目安は、温度管理がしっかりなされているかどうかです。自分の経験から言うと、そういう酒屋さんは、主人が日本酒に理解があり、熱心に取り組んでいる店がほとんどです。もちろん「吟渓」で取引している酒屋さんは、どこも日本酒に情熱的で、研究熱心で保存もしっかりしています。

 道内の酒屋さんのグループで「北都千国会」という会があります。この会は、蔵元から冷蔵で酒を仕入れ(冷送酒と呼んでいる)、保管もグループの冷蔵倉庫で行っています。自分が頼んでも、きちんとクール便で送ってくれるので、大変安心して取引ができます。(詳しくは、リンク集の「北都千国会」のホームページを御覧ください。)

 今回は、日本酒の保存法もかねての話でした。ちなみにうちでは、冬は地下室に保管(平均3℃)、夏は専用冷蔵庫に保管しています。ホールの冷蔵庫には、カバーをかけて光を遮断してあります。(やり過ぎ?)



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